暑くて外に出られない日、どう過ごす?高齢者の夏の運動不足を防ぐ方法
更新日:7月31日

梅雨明けが発表され、暑い日が続いています。
連日のように熱中症警戒アラートが発表され、普段の散歩や買い物など、外へ出ることを制限している方も多いかと思います。
熱中症を防ぐために、暑い時間帯の外出を控えることは大切です。無理をして運動する必要もありません。
一方で、
「最近、座って過ごす時間が増えた」
「デイサービスのない日は、ほとんど歩いていない」
「暑くなってから、立ち上がるのがおっくうになった」
という状態が続くと、
本人も家族も「このまま体力が落ちないだろうか」と心配になるのではないでしょうか。
夏の運動不足を防ぐために必要なのは、暑さを我慢して外へ出ることではありません。
休む日は休みながら、家の中でできる動きを少しずつ続けること。
今回は、暑くて外出しにくい日の過ごし方について考えます。
暑い日に外出を控えるのは、間違いではありません
「体力を落とさないためには、毎日歩かなければ」
そう考えて、暑い日にも無理をして外出する必要はありません。
特に高齢になると、暑さや喉の渇きを感じにくくなることがあります。気温や湿度が高い日は、外出時間をずらす、室内で過ごす、水分をこまめに取るなど、体調を守ることを優先しましょう。
運動は、たくさん行えばよいわけではありません。
その日の体調や気候に合わせて、運動量を減らす。座ってできる内容へ変える。思い切って休む。
そうした調整も、長く運動を続けるための大切な選択です。
心配なのは、「休むこと」より動かない日が続くこと
一日や二日、運動を休んだからといって、すぐに体力が大きく落ちるわけではありません。
ただし、暑い日が続くなかで、
買い物へ行かない。
散歩をしない。
家の中でも座ったまま過ごす。
身の回りのことを、家族が代わりに行う。
という生活が続くと、日常の中で身体を使う機会そのものが減っていきます。
以前は何気なく行っていた立ち座りや歩行が減ることで、脚の筋力やバランス能力が低下し、久しぶりに動いたときに疲れやすさやふらつきを感じることもあります。
身体活動には、運動だけでなく、家事や移動など日常生活の動きも含まれます。また、高齢者には筋力だけでなく、バランスや協調性を使う活動も、転倒予防のために大切だとされています。
筋力やバランス能力が低下すると、つまずきや転倒につながることがあります。さらに、骨が弱くなっている場合には、立った高さからの転倒でも骨折することがあります。
骨折をきっかけに入院し、以前の生活へ戻るまでに時間がかかることもあります。
不安を抱えすぎる必要はありませんが、動かない状態を長く続けないことは、これからの生活を守るうえでも大切です。
家の中の動作も、立派な運動になります
「運動」と聞くと、散歩や体操、筋力トレーニングを思い浮かべるかもしれません。
しかし、身体を動かす機会は、普段の生活の中にもあります。
食事の準備をする。
洗濯物をたたむ。
トイレまで歩く。
立って歯を磨く。
自分で飲み物を取りに行く。
椅子から立ち上がる。
こうした一つひとつの動きも、身体活動の一部です。
家族としては、転ばないように、疲れないようにと、つい身の回りのことを代わりたくなるかもしれません。
しかし、安全にできる動作まで手伝いすぎると、本人が身体を使う機会を減らしてしまうことがあります。
「全部やってもらう」か「一人で頑張る」かの二択ではありません。
洗濯物を運ぶのは家族が行い、たたむのは本人にお願いする。料理は難しくても、食卓まで自分で歩く。ふらつきがあるときは、そばで見守りながら立ち上がる。
その人が安全にできる部分を残すことが、日常の中で体力を保つことにつながります。
暑い日に取り入れやすい、無理のない動き方
家の中で身体を動かすときも、特別な器具や長い運動時間は必要ありません。
たとえば、安定した椅子からゆっくり立ち上がり、ゆっくり座る。
洗面台や机につかまりながら、かかとを上げ下げする。
トイレや飲み物のついでに、家の中を少し遠回りして歩く。
座ったまま、左右の足を交互に上げる。
一度にたくさん行うよりも、生活の中へ短い動きを散りばめる方が続けやすいこともあります。
「午前中に一度できたから、今日はそれで十分」
「昨日より疲れているから、今日は座って行う」
そのくらいの調整で構いません。
運動中に痛み、息苦しさ、強い疲労、めまい、ふらつきなどがある場合は中止してください。持病や身体の状態によって適した運動は異なるため、心配な場合は医師やリハビリ専門職へ相談しましょう。
「今日は無理をしない」も、続けるための選択です
体調には波があります。
昨日できたことが、今日は難しいこともあります。反対に、少し休んだことで身体が動きやすくなる日もあります。
大切なのは、決めた運動を何が何でも行うことではありません。
顔色、食欲、睡眠、痛み、ふらつきなど、その日の状態を見ながら内容や量を変えることです。
デイサービスでも、毎回同じ運動を同じ回数行うとは限りません。
利用者様の表情や動き、ご本人のお話などから体調を確認し、運動量を減らしたり、別の内容へ変更したりすることがあります。
無理をしないことも、リハビリを長く続けるために必要な判断です。
デイサービスを休んだあとも、また戻れば大丈夫
猛暑や体調不良、お盆の予定などで、デイサービスを休むこともあるでしょう。
デイサービスは、完璧に一度も休まず通い続けることだけを目指す場所ではありません。
休む必要があるときは休み、生活や体調が整ったら、また戻ってくる。
休んでいる間も、家の中で立つ、歩く、自分でできることを行う。それだけでも、再び通い始めるための準備になります。
「一度休んだら、行きづらくなってしまった」
「暑い日が続き、休む回数が増えて心配」
「家ではどの程度動かしたらよいのか分からない」
そのような場合は、家族だけで判断せず、ケアマネジャーや利用中の事業所へ相談してみてください。
必要に応じて、振替利用や運動内容について一緒に考えることもできます。
夏は、できる範囲で身体を動かしましょう
夏の運動不足を防ぐために、暑い中を無理に歩く必要はありません。
家の中で立つ。少し歩く。
身の回りのことを自分で行う。
できる日に、できる範囲で続ける。
そうした日々の動きが、筋力やバランス能力を保ち、秋以降も自分らしい生活を続ける助けになります。
ただし、家の中で過ごしているからといって、熱中症の心配がないわけではありません。
熱中症は屋外だけで起こるものではなく、室内で発症することもあります。特に高齢の方は、暑さやのどの渇きを感じにくくなることがあるため、本人が「大丈夫」と言っていても、部屋の温度や水分摂取の様子を周囲が確認することも大切です。
一人暮らしの方の場合は、暑い日が続く時期だけでも、家族や知人、ケアマネジャー、利用中の事業所などと連絡を取りやすい状態にしておくと安心です。
「電話に出ない」「いつもより元気がない」
「水分をあまり取れていない」「部屋が暑いままになっている」
そんな変化に早く気づけることが、体調を守ることにつながります。
身体を動かすことも大切ですが、まずは安全に過ごせる環境を整えることが第一です。
休むことと、諦めることは違います。
身体を休ませながら、その日にできる小さな動きを残していきましょう。
リハニックでは、利用者様の体調や身体の状態、その方が送りたい生活に合わせて、運動内容や負荷を調整しています。
「最近、歩く量が減ってきた」
「暑くなってから、立ち上がるのが大変そう」
「自宅で何をしたらよいか分からない」
そんなお悩みがありましたら、お近くのリハニックまたは担当のケアマネジャーへご相談ください。


