【2026年7月1日施行】令和8年度:柔道整復療養費改定のポイントと現場への影響(第1弾:基本項目編)いよいよな見方
- 5月24日
- 読了時間: 3分

いよいよ2026年7月1日より、令和8年度の柔道整復療養費改定が施行されます。
今回の改定については、物価高騰や施術所職員の賃上げ、そして医療DXへの対応といった背景からプラス0.60%の改定がなされるとの報道がなされています。
しかし、実際の現場においては、今後の実務上の運用について慎重な見方が広がっているようです。
基本単価の微増とともに、これまでのレセプト運用の前提を見直すような新たな算定ルールが示されたことが、その一因と考えられます。
本連載では、今回の改定における基本項目の変更点と、制度の背景にある「適正化」の狙いについて、実務的な視点から整理してお伝えします。
初検料「1,560円」引き上げの裏側にある「3ヶ月ルール」
今回の改定で、初回施術時の評価である「初検料」は1,560円となり、現行より10円の引き上げが予定されています。
単価の引き上げは一見するとプラスに感じられますが、同時に以下のような制限ルールが新設されることとなりました。
【新設された初検料の算定不可ルール】 他部位での施術を含め施術が継続中である場合や、施術の終了・中止後から3か月(歴月)が経過していない場合には、初検料を算定できないというルールが明確化されました。
この変更は、いわゆる「短期間で部位の終了と新規発症を繰り返し、頻繁に初検料を算定する」といった運用に対し、より慎重な判断が求められるものと推測されます。
今後は、「本当に新しい負傷であること」の根拠がより重視され、審査においてもこれまで以上に精緻なカルテ記載や整合性が求められるようになる側面があるでしょう。
再検料「420円」への見直しと、国が求める「見立て」の質
その一方で、施術の経過を評価する「再検料」については、算定ルールの拡大が示されています。
改定内容:1回あたり420円に引き上げ(現行より10円プラス)
ルールの変更:継続的な見立てを評価する観点から、連続する2回の施術について算定可能となる
これまで1回のみの算定であった再検料が、連続して2回算定できるようになります。
これは、患者さんの状態をこまめに確認し、適切な施術計画を組み立てるという「医療者としての丁寧なプロセス」を評価しようとする方針への転換とも受け取れます。
ここから読み取れる国のメッセージとして、「単に初検料を繰り返しての請求ではなく、一人の患者さんと向き合い、経過を追う正しい見立て(再検)を重視する」という方向性が示唆されていると考えられます。
結論
改めて求められる「根拠ある請求」への意識
2026年7月の改定は、柔道整復師の先生方が日々のレセプト請求において、より高いコンプライアンス意識を求められる転換点になるかもしれません。
初検料: 単価は微増するものの、中止後3ヶ月以内の再算定不可というルールが適用される。
再検料: 連続2回まで算定可能となり、経過観察の重要性が向上する。
ルールを正しく理解し、根拠のある問診やカルテ管理を行っている院にとっては正当な評価につながる一方、従来通りの運用を続けている場合には、経営面や実務面で影響を受ける可能性も考えられます。
有資格者一人ひとりが、今回の制度変更の意義を正しく把握しておくことが大切ではないでしょうか。
次回予告:第2弾「2部位目逓減の衝撃」
基本項目は微増した一方で、今回の改定において多くの整骨院様が減収リスクとして注目されているのが「2部位目からの80%逓減の導入」です。
同じ施術を行っても売上の構造が変わる可能性について、その仕組みと現場で検討できる対策を深掘りしていきます。
※本記事は公開時点の情報に基づいています。
制度の解釈には地域差や個別の事案による判断が伴う可能性があるため、詳細な算定や運用判断については、必ず管轄の厚生局や関係機関の最新通知をご確認ください。



