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【2026年7月1日施行】柔道整復療養費改定の影響と対策(第2弾:2部位目逓減と償還払いリスク編)

  • 5月28日
  • 読了時間: 4分



2026年7月1日に施行される柔道整復療養費改定について、前回は初検料の変更点をお伝えいたしました。


今回は、多くの施術所において「直接的な減収リスク」として懸念されている「2部位目からの逓減制の導入」および「個別償還払いへの移行リスク」について解説します。


今回の改定は、単に算定額が変動するだけでなく、多部位請求を前提としたこれまでの運用方針を見直す必要がある、非常に大きな転換点になると推測されます。



同じ施術でも減収に?「2部位目から80%逓減」という構造

今回の改定案において、実務上の運用に最も影響を与えそうなのが、後療料における逓減ルールの変更です。


これまでは「3部位目から60%に逓減」というルールでしたが、7月からは「2部位目から80%に逓減」へと厳格化される方針が示されています。



後療料自体の単価は引き上げられるものの、算定の内訳を精査すると、以下のような影響が生じる可能性があると考えられます。


算定項目(後療料)

改定前

改定後(2026年7月〜)

差額(1回あたり)

1部位目(100%)

613円

676円

+63円

2部位目(80%)

613円

541円

ー72円


1部位目の単価はプラスとなる一方で、2部位目を算定した場合には、2部位目の後療料は現行よりも72円のマイナスとなる計算です。


これまでのように、「関連痛を含めて2部位で請求する」という運用を継続した場合、来院数が同じであっても全体の売上に影響が出る構造へと変わる可能性があります。


国としては、多部位請求のハードルを上げることで、実質的な総医療費の適正化を図る狙いがあるものと推測されます。



さらに広がる包囲網。「個別償還払い」への移行リスク

さらに、多部位請求や長期にわたる継続的な請求については、ペナルティとも言える「個別償還払いへの変更基準」が強化される見込みです。


今回、以下の条件に該当する患者さんについては、委任受領(窓口での一部負担金の支払い)の対象から外れ、患者さん自身が一度全額を支払い、後日保険請求を行う「償還払い」へ移行しなければならないリスクが追加されました。



【新たに導入が想定される個別償還払いへの移行基準】

直近1年間に「通算8ヶ月以上」かつ「通算9部位以上」の施術を行っている患者さん。


この基準は、いわゆる「部位転がし」による長期的な多部位請求を抑制するための措置と考えられます。

もし該当する患者さんが増えた場合、窓口での説明や手続きの煩雑さから患者離れを招く恐れもあり、多部位を長期にわたってかける運用は、院経営において慎重な判断が求められる時代になると言えそうです。




結論

求められるのは「1部位の精緻化」

今回のポイントを整理すると、以下の通りです。



  • 2部位目逓減: 2部位目の後療料が80%(541円)となるため、多部位請求の運用には見直しが必要となる側面があります。


  • 償還払いリスク: 年間「8ヶ月以上かつ9部位以上」の長期多部位患者さんは、強制的に償還払いへ移行させられる可能性があるため注意が必要です。



これからの環境下では、安易に複数の部位を請求するのではなく、負傷原因を精緻に聴取し、1部位に対してより丁寧な施術と正確なカルテ管理を行うことが、これまで以上に重要になると考えられます。


「部位数で売上を作る」という時代から、「1部位の質を高める」時代へとシフトすることが、結果として院とご自身の身を守る最大の防衛策となるのではないでしょうか。




次回予告:第3弾「医療DXとオンライン請求義務化」

次回は、今回の改定の締めくくりとして、実務環境の大きな変化について解説します。明細書発行の様式変更や、本格化する「レセプトのオンライン請求義務化」に向けて、7月1日の朝に慌てないための具体的な準備についてお伝えいたします。




※本記事は公開時点の情報に基づいています。

制度の解釈には地域差や個別の事案による判断が伴う可能性があるため、詳細な算定や運用判断については、必ず管轄の厚生局や関係機関の最新通知をご確認ください。


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