ミラーセラピーとは?脳梗塞後の手足のリハビリに使われる方法を紹介
脳梗塞などの脳卒中の後遺症により、片方の手や足が動かしにくくなることがあります。
「動かしたいのに、思うように動かない」
「手を動かそうとしても、力の入れ方が分からない」
「麻痺側の手足を、つい使わなくなってしまう」
そんな悩みに対して、リハビリではさまざまな方法を組み合わせながら、身体の動きを引き出していきます。
その一つが、ミラーセラピーです。
チャレンジドジム名取では、脳梗塞後の後遺症などに対するリハビリの一つとして、ミラーセラピーを取り入れています。
今回は、ミラーセラピーとはどのようなリハビリなのか、実際の方法や注意点についてご紹介します。
ミラーセラピーとは?
ミラーセラピーとは、鏡に映った手や足の動きを見ながら行うリハビリ方法です。
主に、脳卒中後に片方の手足が動かしにくくなった方に対して行われることがあります。
方法はとてもシンプルです。
鏡を机の上などに置き、動かしにくい側の手や足を鏡の裏側に隠します。
そして、動きやすい側の手や足を鏡の前に出します。
その状態で、鏡に映った「動きやすい側の手足」を見ながら、ゆっくり動かしていきます。
鏡を見ると、まるで動かしにくい側の手足が動いているように見えます。
この視覚的な情報を使いながら、手足の動きにつなげていくのがミラーセラピーです。チャレンジドジム名取では、段ボールと鏡で作った手作りの道具を使用しています。
どうして鏡を使うの?
脳卒中後のリハビリでは、身体を動かす練習だけでなく、脳が動きを思い出すための刺激も大切になります。
ミラーセラピーでは、鏡に映った手足の動きを見ることで、脳に「動いているように見える」情報が入ります。
この仕組みは、脳の働きや神経の変化に関係すると考えられています。ただし、どのような仕組みで効果が出るのかについては、まだ完全に分かっているわけではありません。
そのため、ミラーセラピーは「これだけで必ず良くなる方法」ではなく、通常のリハビリに加えて行う方法の一つとして考えられています。
実際に、脳卒中後のリハビリに関するガイドラインでも、ミラーセラピーは上肢や下肢に筋力低下がある方に対して、リハビリプログラムに追加して検討できる方法として紹介されています。
実際にはどんなふうに行うの?
チャレンジドジム名取では、手作りのミラーボックスを使用しています。
たとえば、手のリハビリの場合は、次のように行います。
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動かしにくい側の手を箱の中へ入れ、鏡から見えないようにします。動きやすい側の手を鏡の前に置きます。鏡に映った手を見ながら、指を曲げる、手を開く、手首を動かすなどの動作を行います。
大切なのは、強く動かすことではありません。
鏡に映った動きを見ながら、ゆっくり、丁寧に行うことです。
人によって、動かしやすさや感じ方は異なります。違和感が強い方もいれば、少しずつ慣れていく方もいます。そのため、リハビリ専門職が様子を見ながら、動きやすい内容や負担の少ない方法を選んでいきます。
どんな効果が期待されているの?
ミラーセラピーについては、これまでさまざまな研究が行われています。
2018年に発表されたコクランレビューでは、62件の研究、合計1,982人の参加者を対象に分析が行われました。その結果、脳卒中後の上肢の運動機能や日常生活動作などに対して、通常のリハビリに追加する方法として一定の効果が示されています。(cochrane.org)
一方で、すべての症状に同じような効果があるわけではありません。
たとえば、痛みに対する効果は報告されていますが、研究の質には課題があるとされています。また、半側空間無視に対しては、明確な効果は確認されていません。
つまり、ミラーセラピーは期待できる面がある一方で、誰にでも同じ結果が出る方法ではありません。
だからこそ、身体の状態や目標に合わせて、ほかのリハビリと組み合わせながら行うことが大切です。
どのくらいの頻度で行うの?
研究では、週3〜7回、1回15〜60分、2〜8週間ほど行う方法が報告されています。特に、週5回・1回30分・4週間といったプログラムが使われることもあります。
ただし、これは研究で用いられた一例です。
実際のリハビリでは、身体の状態、疲れやすさ、集中力、痛みの有無、ほかの訓練内容などを見ながら調整します。
「長くやればよい」「回数を増やせばよい」というものではありません。
無理なく続けられる量で、本人に合った方法を選ぶことが大切です。
行うときの注意点
ミラーセラピーは、特別な機械を使わずに行える、比較的取り入れやすいリハビリ方法です。
ただし、誰でも自己判断で行えばよいというものではありません。
鏡に映った映像と実際の感覚にズレがあるため、人によっては違和感を覚えることがあります。めまい、強い痛み、気分不快、疲労感がある場合は中止が必要です。
また、認知機能の状態や、視野・注意機能の状態によっては、効果が分かりにくい場合もあります。資料でも、重い認知症の方や、片側の空間がまったく見えにくい方には、効果が分かりにくい場合があるとされています。
安全に行うためには、医師やリハビリ専門職に相談しながら進めることが大切です。
ミラーセラピーだけでなく、状態に合わせたリハビリを
チャレンジドジム名取では、ミラーセラピーだけを行うのではなく、ご本人の身体の状態や生活上の困りごとに合わせて、さまざまなリハビリを組み合わせています。
手が動きにくい。足が出にくい。
日常生活の動作に不安がある。
退院後も、もう少しリハビリを続けたい。
そのような悩みに対して、今の状態を確認しながら、必要な練習を一緒に考えていきます。
ミラーセラピーは、その中の一つの方法です。
大切なのは、道具や方法そのものではありません。
その方が、どんな生活を取り戻したいのか。そのために、今どんな練習が必要なのか。
そこを一緒に考えながら、リハビリを続けていくことです。
まずはご相談ください
脳梗塞などの脳卒中後、
「もっと手を使えるようになりたい」
「足の動かしにくさが気になる」
「退院後もリハビリを続けたい」
「今の自分に合う方法を知りたい」
という方は、一人で悩まずご相談ください。
チャレンジドジムでは、状態や目標に合わせて、リハビリ内容を検討しています。
ミラーセラピーに限らず、ご自身に合った方法を一緒に探していきましょう。





