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若者の就職意識が低体温に見える理由を、少し違う角度から考えてみた

  • a-sugawara
  • 9 時間前
  • 読了時間: 5分

毎朝チェックしているビジネスメルマガで、「若者の就職意識の変化」に関する調査結果を目にしました。


そこに書かれていたのは、2019年から2025年にかけての学生と企業側の意識や行動の変化。


「働くのは報酬のため」

――ここは、まあ、なんとなく聞いたことがありました。


でも、

「仕事を通じた成長をあまり求めていない」


……ええええ!?

思わず声が出ました。


自分が成長することに興味がない?

そんなに自分を大切にしていないの?自尊心低いってこういうこと?


レポートを読み進めていくと、見えてくるのは、「最近の若者は向上心がない」と言われがちな姿です。数字だけを見ると、たしかにそう見える部分もある。


けれど、その結果を読みながら、私はどうしても拭えない違和感を覚えました。


なぜなら、私の身近で働く若い人たちは、決して無気力なんかじゃないからです。


前に出て自己主張するタイプではないけれど、目の前の仕事には真剣で、利用者さんや同僚のことをよく見ていて、気を遣いすぎるくらいです。

声が大きくないだけで、エネルギーがないわけじゃない。いつも一生懸命で、仕事の合間にふっと見せる笑顔が、キラッキラしています。



情報が多すぎて、何を信じたらいいかわからない時代


会社の公式情報とSNS・口コミのギャップ


若者が「自分の成長に興味がない」のは、本当に心から、そう思っているのでしょうか。


私には、そうは思えません。


今の就職活動は、情報がとにかく多い。会社のホームページを見れば、どこも「働きやすい」「成長できる」「ホワイトな職場」と書いてあります。少し前向きな気持ちになったその直後、SNSや口コミサイトでネガティブな話を目にすることも珍しくありません。


どちらが本当なのか、わからない。たぶん、どちらも一部は本当。


でも、その判断を、経験の少ない若い人が一人で背負うには、少し荷が重すぎるように感じます。



真面目だからこそ、迷いが深くなる


特に最近の若い人は、とても真面目です。だからこそ、「もし失敗したらどうしよう」「見る目がなかったと思われたらどうしよう」と考えすぎてしまう。その結果、慎重になり、動けなくなっているだけなのかもしれません。



「失敗=終わり」という空気が、不安を大きくしている


転職がいまだにネガティブに見られる日本


さらに不安を大きくしているのが、「失敗=終わり」という空気です。


本来は、「合わなかったら転職すればいい」。それだけの話のはずなのに、日本ではいまだに「転職=失敗」「職歴に傷がつく」といった見方が残っています。会社側が、無意識のうちに転職歴が多い人をネガティブ見てきたことも、影響しているのかもしれません。


海外では、転職は経験値として前向きに受け止められることも多い。それを知っている若い人ほど、日本の就職観とのギャップに戸惑っているようにも見えます。



「自分がどう感じたか」より「どう見られるか」


インターンシップに参加して、かえって迷いが増えた、という話を聞くこともあります。それはきっと、「自分がどう感じたか」より、「どう評価されるか」「この選択は失敗じゃないか」を考えすぎてしまうから。


普段、友達と飲食店を選ぶときでさえ、口コミを見てから決める時代です。失敗したくない、外したくない。その感覚が、就職にも持ち込まれてはいないかなと心配しています。



「自分」は、失敗の積み重ねでできていく


成長は、きれいな成功体験だけじゃない


ちなみに私は、いわゆる就職氷河期世代です。


就活では普通に「圧迫面接」という名のもとにいじめられましたし(笑)、「お前(面接官)こそ人間的に不採用じゃー!」と心の中で悪態をついていた、なかなかひねくれた人間でもあります。


だから、会社がすべてだとは思っていません。今だって、「嫌になったら、他に行けばいっか!」と、どこかで思いながら働いています。


氷河期世代は不運な世代と言われますが(就職難、賃金上がらない、万年ルーキー)、暗い時代を、がむしゃらに、正直はいつくばるように生きてきたからこそ、今、思うのです。


働くことって、人とつながることって、なんて奇妙で、なんて面白いんだろう、と。

今の職場は3か所目ですが、これまでに起きた出来事、出会った人たち、今でも鮮明に覚えています。


そんな中で自分を成長させてくれたのは、うまくいかなかった経験でした。

失敗して、落ち込んで、それでも「次はどうする?」と考えたこと。その積み重ねが、あとから振り返ると、ちゃんと力になっていました。



「自分」は、あとから気づくもの


「自分」は、自己分析で完成するものでも、面接官が決めるものでもありません。

働いて、迷って、失敗して、その途中で少しずつ輪郭が見えてくるものです。


もし今、自分に自信が持てずに動けないのなら。


それは、やる気がないからでも、能力がないからでもありません。真剣に考えて、考えすぎちゃって、勇気が出ないだけ。


検索しすぎない。

先回りしない。

「AだからBだ!」と決めつけない。


遠回りしてもいい。

失敗してもいい。


少しずつでも前に進んでいく姿。

それこそが「あなた自身」なんですよ。



「自分も動いてみようかな?」

「報酬のためじゃない働き方をしてみたい!」

そう思ったら。


ぜひ、気軽にエントリーしてください。

話を聞いてみてから決める、でも大丈夫です。


決めるのは、あなた。

その選択を、応援できる場所でありたいと思っています。


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