【あはき法 特別編】2026年7月改定―「地域医療の要」としての訪問鍼灸、次なるステージへ―
- 2 日前
- 読了時間: 3分

全4回にわたり、2026年7月改定の具体的な対策をお伝えしてまいりました。
最終回で「手続きの適正化」を強調しましたが、制度への対応が完了した今、私たちが目を向けるべきは「改定のその先」にある、治療院の未来像です。
今回は、制度適正化の先にある「地域医療における訪問鍼灸の真価」についてお話しします。
「ルール遵守」はスタートラインにすぎない
今回の改定を機に、多くの治療院が事務管理をデジタル化し、記録の質を向上させました。
これは素晴らしい変化ですが、実はこれは「地域から選ばれ続けるための最低条件」を整えたに過ぎません。
これからの訪問鍼灸は、単に「保険を使って訪問する」というモデルから「地域包括ケアシステムの一翼を担う、専門的治療・リハビリテーションのパートナー」としての存在感が求められます。
専門性を軸にした「選ばれる理由」の作り方
「逓減制」の影響で頻回訪問の収益モデルが変わった今、重要になるのは「いかに少ない訪問回数で、患者様のQOLを最大化するか」という、施術のクオリティそのものです。
1.他職種との「共通言語」の確立
ケアマネジャー様や医師とROM(関節可動域)やADLスコアなどの客観的数値を共有しましょう。
「なぜこの施術が必要か」「どれくらい改善が見込めるか」を論理的に語れる院は、他職種から圧倒的な信頼を得ます。
2.地域ニーズに応じた「プラスアルファ」
介護予防イベントの開催や地域ケア会議への積極的な参画など、治療院という枠を超えたコミュニティでの活動が、地域での存在感を高めます。
3.自費サービスの可能性
保険診療でカバーしきれない、より高度な機能訓練や家族様を含めた健康相談など、専門性を活かした自費メニューを整えることで、経営の安定と地域貢献を両立させることができます。
誠実な臨床が、地域を変える
制度はこれからも変化し続けます。
しかし、どれほどルールが変わろうとも「患者様の生活を支えたい」「痛みを和らげ、動ける喜びを取り戻したい」という私たちの根源的な目的は変わりません。
今回の改定を「苦しい壁」ではなく、「真の専門家として再出発するための追い風」と捉えてみてください。
正確な事務処理能力という「守りの基盤」の上に、専門職としての「攻めの技術」を積み重ねる。この両輪が揃ったとき、貴院は地域社会で唯一無二の存在になるはずです。
最後に
特別編を含めて全5回にわたる本連載が、先生方の運営改善の一助となり、地域医療への情熱を再確認するきっかけとなれば、これ以上の喜びはありません。
これからも、同じ医療人として共に成長し、地域に貢献していけることを願っています。
※本記事は公開時点の情報に基づいています。
制度の解釈には地域差や個別の事案による判断が伴う可能性があるため、詳細な算定や運用判断については、必ず管轄の厚生局や関係機関の最新通知をご確認ください。



