個人情報だらけの介護業務で、AIをどう使う?「それ、実装してローカルで動かしましょ」

みなさんは、お仕事でAIを使っていますか?
最近では、求職活動でも企業の「IT活用」や「DXへの対応」が、会社を見るひとつの材料になっているようです。
マイナビの2026年卒学生調査でも、企業選びでIT活用やDX化への対応を意識したという声があり、「人工知能・AI」「ChatGPT・対話型AI」なども就職活動に影響するニュースワードとして挙げられています。
私も仕事では日常的にAIを使っています。
もはや、使用というより常駐しています。何でも相談します。
私がAIを使っていて、特に「便利だなぁ」と思うことのひとつが、
これでもかー!と情報が詰め込まれた帳票を読ませて、集計したり分析したりすること。
これは普段の仕事でかなり威力を発揮します。
ただ、介護業界でAIを使おうとすると、ひとつ大きな壁があります。
個人情報です。
介護で扱う情報には、病歴や障害、身体状況、介護記録など、取り扱いに注意が必要な情報がたくさん含まれています。
でも当然、個人情報が載った帳票を、そのまま外部のAIサービスにポイッと渡すわけにはいきません。
顧客IDなどをキーにできる帳票なら、名前などを消して利用することもできます。
とはいえ。
何枚もある帳票を全部開いて、個人情報を探して、墨消しして……。
「……これ、自分で集計した方が早くない?」
となりますよね。笑
AIに読ませられないなら、「仕組み」を作ってもらえばいい
そんなジレンマを抱えながら、何か方法ないかなぁ、と図書館をさまよっていたとき。
ふと目に入ったのが、
という本でした。
パラパラと眺めていて、
「あれ?」
と思いました。
私がAIにやってほしいと思っていた処理って、全部をAIサービス上でやらなくても、一部はPythonのプログラムとして切り出せるんじゃない?
だったら。
その仕組み自体を、AIに作ってもらえばいいじゃん。
って。
ダミーデータと「完成形」をAIに渡してみる
私が用意したのは、
個人情報をダミーに置き換えた元データ
最後に作りたい集計表
基本はこれだけです。
AIに、
「このデータから、この集計表を作れるようにしたい。Pythonで組める?」
と相談します。
すると、コードを書いてくれます。
分からないコードがあれば、
「これ何やってるの?コメントいっぱい入れて説明して」
で、説明もしてくれます。
めちゃくちゃ便利。
もちろん、生成されたコードをそのまま信用して業務データに突っ込むのではなく、まずダミーデータで動作を確認します。
特に、元データを書き換えないこと、集計結果が合っていること、想定外のデータが入ったときにどうなるか。
この辺は人間側で確認しておきます。
でも、一度仕組みができてしまえば、本番では自分のPCの中で処理できる。
AIサービスへ個人情報入りの帳票を送らなくても済みます。
これ、私にはけっこう大きな発見でした。
介護業界あるある、「FAXの帳票」にも使えることがある
さらに、介護業界でいまだ現役のFAX。
これも帳票の形式がほぼ固定されていて、スキャン状態が安定しているものなら、自動読み取りの対象にできることがあります。
PDFの文字情報を取得したり、必要に応じてOCRを使ったり。
どの方法が合うかは帳票次第ですが、ここもAIに、
「こういう帳票なんだけど、どう取るのがいい?」
と相談できます。
そして、仕組みを作るためにサンプルをAIへ見せる場合は、もちろん個人情報をダミーデータに置き換えてから。
ここ、大事です。
作ったものは「普通のソフト」みたいにもできる
さらに面白かったのが、その後。
作った仕組みは、自分だけが黒い画面を開いてコードを実行しなくても、他の人が使える形にできます。
例えば、
ダブルクリック → ファイルを選ぶ → 集計結果が出る
みたいな、普通のPCソフトっぽい形。
「他の人にも使ってもらいたいんだけど」と相談すれば、その方法もAIが教えてくれます。
頼んでもいないのに、使い方の説明まで整えてくれたりします。
このあたりまで来ると、
「AIに帳票を読ませる」
という最初の発想から、かなり変わってきます。
AIに仕事そのものを渡すのではなく、AIと一緒に“仕事をする仕組み”を作る。
個人情報の壁がある仕事では、こういう使い方もあるんだなぁと思いました。
今回使ったもの
私が使ったのは、
Microsoft Visual Studio Code
Python
どちらも無料で利用できます。
AIは、特別なコーディング専用ツールではなく、普段使っているチャット型AIです。
プログラムなんて作ったことがなくても、
「これをこうしたい」
から相談を始められます。
私はむしろ、自分でコードを書けないからこそ、
「これは何?」「なんでこうしたの?」
「この方法だと何がまずい?」「じゃあ、こうしたら?」
を、何度も聞きました。
「AIに渡せないから」で終わらせなくてもいい
個人情報がある。
だからAIは使えない。
もちろん、そこで止めなければいけない業務もあります。
でも、
データそのものは渡せなくても、そのデータをどう処理するかはAIと考えられる。
それならできる仕事もあります。
「AIを使う=AIのチャット画面に全部入れる」
だけではないんですよね。
ちなみに私は最近、母が主催するイベント即売会の商品リストをAIに読んでもらいました。
クセ強めの手書き殴り書きをスマホでパシャッ。
それを、AIが、カード決済システムへ取り込めるCSVに変換。
……これまでひとつずつ手入力していた時間は、何だったのでしょうか。
AIにデータを読んでもらうこと自体は、帳票だけでなく、手書きメモでも、写真でも、いろんな場面で役に立ちます。
何に使えばいいか分からなければ、
とりあえず、困っている“ブツ”を見せて相談してみる。
みなさんもぜひお試しください。
※ローカルで実行する場合も、使用するソフトや保存先、社内の情報セキュリティルール等をご確認ください。



